老後の田舎ぐらしの理想と現実

  • 2019年3月21日
  • 2019年3月21日
  • 住まい
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「老後は田舎でゆったりとした生活をしたい。」
「老後は田舎で第二の人生を!」

割とよく聞くフレーズですね。都会の人が溢れた場所で生活をしていると、こんなことを思い描いて実行してしまう方がいらっしゃるようです。

しかし、田舎で生活するということは遊びに行くのとは全く違います。ちょっと遊びに行った程度で、その地方へ憧れ移り住むのは非常に危険な行為かもしれません。

田舎暮らしとはどういうものか

冒頭のような希望を描く方は、どちらかというと忙しいサラリーマン生活を送っていた方に多いようです。
それまでが忙しければ忙しいほど、老後はゆっくりしたいという願望が強く表れるのはある意味当然かもしれませんね。

気持ちは分からないでもありませんが、田舎での生活をしている自分をしっかりとイメージできるでしょうか。なんとなく「ゆったりとした生活がおくれる」とか「自分と奥さんの食べる分の野菜でも育てて生活する」程度のイメージしか沸かないとしたら結構危険です。

そういった願望やイメージで田舎暮らしを実行してしまったとしたら、それは失敗の可能性が非常に高いものとなるでしょう。

田舎へ移るためのお金はどうしますか?

当然ですが、退職をすれば収入は途絶えます。
長年同じ職場で勤めていたのであればある程度の退職金やある程度の年金がもらえることになりますが、今の生活の基盤を捨ててまで、田舎で新しい生活を始めるほどの余裕が果たしてあるのでしょうか。

厚労省等の統計によれば、一般サラリーマンの退職金の平均は大企業で2,000万円程度、中小企業だと1,000万円程度だそうです。
また、年金については厚生年金の場合の男性の平均が17万円程度、女性の平均が10万円程度だそうです。
これが国民年金ですと平均が5.5万円という話です。

どうでしょう?果たしてこの金額で十分と思えるでしょうか。

人によって生活スタイルは様々ですが、住宅ローンが残っている方や子世代への援助等、退職後も様々な支出を迫られるケースはいくつもあるでしょう。
それに対して上記のような金額の退職金及び年金で十分な対応ができるでしょうか。
もっと言えば、その辺の支出をクリアした上で田舎へ移り住む費用を捻出しなくてはなりません。

それを簡単にクリアできるかと言えば、答えは「ノー」だと思います。

日本で生活を営んでいく場合、定年までにはいくつも大きな支出を迫られるライフイベントが存在します。

例えば結婚。現代においては結婚式は簡略化されたり、そもそも式を行わない人も増えました。
それでも親世代が希望したり、親戚付き合いが多い家系である場合は、半ば強制的に行わなくてはならないイベントだったりします。
また、新生活を始めるための新居や生活をするための家具などの道具一式をそろえる費用も掛かります。

その後も子供や住まい(戸建やマンションの購入)、将来に備えての保険など、その人の置かれている状況により様々ですがお金の掛かるライフイベントは目白押しです。

労働者の平均年収が下がり続けている今の世の中では、上記のような支出をしながら安定して将来のための貯蓄ができている人はそう多くはないでしょう。

しっかりと計画して貯蓄ができていた人は、田舎へ移り住む費用を捻出することができるかもしれません。
しかし、その後の支出にも対応することができるかというと、それはまた別の話です。

意外と費用が掛かる田舎暮らし

田舎は生活費が安いと言うのを聞いたことがあるでしょうか。昔はそうだったかもしれませんが、現代ではそれは過去の話です。

移動手段

まず、田舎では車が必須です。
都心部では電車を筆頭に多くの移動手段があります。しかし、田舎では電車などは移動手段としてはおまけくらいの扱いで車での移動が基本となります。
googleマップのストリートビューで地方の駅前を見てみるとわかりますが、都心で生活している人からすると信じられないくらい駅前が閑散としています。
駅周辺が生活の基盤にはなっていないのです。
そのため、生活に必要な店舗を回ったりするためには車という移動手段を確保する必要があります。
車は大人1人に対して1台所有することとなるため、それを維持するコストがかなり掛かることとなります。

買い物

次に小売店で売っている生活用品などは都会と比べて特に安いということはありません。
地方で買い物しようとすると、結構な確率でイオンのような大型ショッピングモールやチェーン店を利用することとなります。個人の商店などは今はあまり多くはありません。
そのため、金額は画一的で、どちらかというと輸送コストが掛かっている分、若干割高かもしれません。

冷暖房などの生活コスト

都心と比較すると電気代やガス代といった生活コストが高くなる場合が多くなります。
田舎の方が夏暑かったり、冬の寒さが厳しい地域が多いため、それを凌ぐための電気代やガス代がかさみます。
さらに都心と比べると電気会社やガス会社の選択肢が少ないため競争がありません。そういった理由から価格競争は起きづらいため割高である場合が多いのです。

その他謎の支出

地方にいたことが無い方には理解できない支出が存在する場合があります。
住んでいる地区への寄付(町会費とはまた別)や祭り他、独特の慣習に関する支出が存在する場合があります。善意や気持ちだけの体を装っていても実際は強制的な場合もあるため、注意が必要です。
これを拒否するとその地域に居ることが難しい状況に追い込まれる可能性があります。

お金の事を考えると都心よりの方が楽である

いかがでしたでしょうか。
思いつく限りの内容を書き連ねてきましたが、田舎暮らしには結構なお金が掛かります。
考えようによっては田舎でそこそこの生活をしている人は、お金に余裕のある人たちです。

老後に気楽に生活、というには出費が多く生活も楽ではない場合が多いのです。
もちろん都心寄りの地域には無い魅力もたくさんありますので、それが肌に合う人には良い環境であるのは間違いありません。

どうしても田舎暮らしをしたいかたには、今はそういった方向けの施設やツアーがありますので、それを利用して体験してみた上でよく検討することをオススメします。