老後は地方でゆとりある生活をしたい。
よく言われている事ですが、これを実行するのは非常に大変です。
都市部での生活に慣れていると気が付きにくいかもしれませんが、地方と都市部ではインフラなどの利便性が大きく違います。
現役の頃と比べると、老後は確実に体力が低下します。
体に不自由な所も出てくるかもしれません。
そのような可能性があるのに、今住んでいる場所よりもインフラ面が劣る場所に行くのはオススメできません。
むしろ可能な限り利便性の高い地域へ移るべきです。
※今現在すでに地方で生活している方は方はすでにその地域での生活に慣れているので、多少の不便があったとしてもまず問題ないでしょう。
今回の記事は老後に地方に移ろうと考えている方向けとなっています。
老後の住まいで最優先に考えるのは何か
老後には住むべきは「戸建」か「賃貸」かという議論がされていますが、優先すべきはそこではありません。
優先すべきは場所、立地です。
あなたの生活上の利便性が確保できるのであれば、戸建か賃貸かという問題は二の次です。
理想は生活用品の購入ができる小売店や、病院といった施設が極力近くにある所です。
その他にも自分自身で利用する店舗が近くにあることが、とても重要となってきます。
今は買い物等を行う施設が多少離れていても苦にならないかもしれません。
しかし、将来に渡ってそうであるとは限りません。体力の低下と共に「移動距離=労力」となるときが必ず訪れます。
移動手段が多くある場所に住んでいるか
あなたは普段の移動手段として何をメインに利用しているでしょうか。
一部の都市部在住の人を除けば多くの人は「車」と答えるでしょう。
仕事・プライベート問わず、かなりの割合の人が車をメインの移動手段として利用しているはずです。
しかし、都市部であれば車を持たず、普段の移動は電車・バスの利用で補えます。
ある程度栄えている地域に住んでいれば、公共機関の利用のみで生活することが可能です。
逆に言えば地方で生活するということは車を所有しなくてはならないという事とほぼ同義です。
地方で生活した経験が無いとピンとこないかもしれませんが、地方の電車やバスは1時間当たりの本数がかなり少なく、かなりの待ち時間を要する場合があります。観光地であっても1時間当たりのバスの本数は1~2本というところも珍しくありません。
地方にだって電車やバスはありますが、1時間あたりの本数が違いすぎるためメインの移動手段としては使うにはかなり心もとないです。
そのような理由から、現実的な移動手段は車だけといっても過言ではありません。
また、あらゆる場所にバスや電車が走っている都市部と違い、地方ではバスや電車の来ない地域がいくらでもあります。そのような場所へ行くにはやはり車が必要なのです。
近年では高齢者の車での事故のニュースも増加しています。
車が必須の地域では、自分の運転に不安があったとしても車を利用しないわけにはいかないという場所もあるため、非常に難しい問題だと思います。
しかし、住まいが都市部であれば自分で車を運転しなくても済む環境を整える事が可能だと思うのですがいかがでしょうか。
医療機関が近くにあるか
人は加齢と共に必ず衰えます。
今は問題なくとも、いつ急に体に異常をきたすかは分かりません。
今でこそ平気で歩いているかもしれませんが、歩くという当たり前の行為ですら、年を重なれば不都合を生じる可能性があります。
そんな時、近所に医療機関があるかどうかで精神的な安心感に差が生まれます。
歩いてすぐの所に病院があれば、体調が悪くてもすぐに診てもらう事が可能でしょう。
しかし、車でしばらく移動しなくては病院に行けないとなれば、面倒で受診しなくなってしまう可能性だって否定できません。
あなたにとって必要なコミュニティは近くにあるか
仕事中心で生きてきた人ほど、退職後は人との付き合いがかなり少なくなります。
人生の大半の時間を仕事に費やしていたので、ある意味では当たり前かもしれません。
現役を退いたのであれば時間はあるはず。
今までやってこなかった趣味などに没頭するのも悪くありませんね。
また、趣味を通してコミュニティに参加する機会もあるかもしれません。
しかし、コミュニティはやはり人が多く集まっている場所ほど盛んです。
都市部に住んでいる方が、近くで集まりがある可能性は高いと言えます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
生活上の利便性を求めると、どうしても人が多い場所の方がそれらを実現しやすいのが現実です。
また、近い将来人口減少が確定的である以上、都市部と地方の利便性はより顕著に差が広がっていくのではないでしょうか。
もちろん、それらの利便性よりも恵まれた自然環境等を優先したい方もいらっしゃるでしょう。
※後日加筆予定