以前、【賃貸】審査に落とされた!大家さんが教えてくれた断りたい入居者という記事の中で、高齢者は大家さん(管理会社に断られやすいお客さんの一人として紹介しました。
理由としては若い入居後と比較して、亡くなる可能性が高いからです。
しかし、実はそれだけではありません。
高齢者が断られやすいのは他にももっと理由があったりします。
こんにちは、管理人のくたです。
今回は賃貸物件において、「なぜ高齢者は断られやすいのか」理由を改めて紹介いたします。
よくある戸建vs賃貸に関して
本題の前に前置き。
高齢者が断られやすい理由の前よくある「戸建vs賃貸」についてです。
まず個人的には戸建と賃貸についてどちらが得かと言われても「ライフスタイルに合わせて好きな方に住めばいい」と考えています。
金銭的にも最終的にはそれほど大きな差はないと考えているからです。
下記は以前書いた賃貸が得か戸建が得かは人によるという記事です。
この中で戸建と賃貸でそれぞれ35年住んだ場合について考えてみましたが、いずれも似たような金額になりました。
でも、「高齢者になったとき」という条件を付けると、金銭的なことは別にしても生涯賃貸物件に住み続けるのは厳しいのでは?とも考えています。
なぜなら、賃貸を借りるときには大家さん(管理会社)の審査があり、それに合格しなければ賃貸物件に住むことはできません。冒頭の話に戻りますが、高齢者は賃貸物件を借りる際には断られやすい条件の一つです。
高齢者向けや高齢者入居可能を謳った物件もあるにはありますが、絶対数として多くない・・・どころか非常に少ないのが現状です。
自分がいくら気に入った物件があったとしても、賃貸物件はあくまで借り物。
所有者(もしくは管理者)が貸してくれなければ入居することはできません。
借りる事自体ができないのであれば「戸建vs賃貸」以前の問題ですね。比較すらできません。
ではなぜ大家さんは高齢の方の入居を断るのでしょうか。
入居者本人は気が付いていなくとも結構な理由があったりします。
そもそもなぜ高齢者が賃貸を借りられないのか
ついつい「大家さん!あんたも高齢者じゃないか!」と言ってしまいたくなるのは置いておいて。
運営する大家さんには高齢者を避けたい理由があります。
その理由はこんな感じです。項目の数に驚くかもしれません。
- 若い人に比べて部屋で亡くなる可能性が高い
- 何らかの理由により支払いが滞る可能性が高い
- 加齢によって横柄になったり、ワガママになる可能性(周囲に迷惑をかける)
- 時間があるせいか年中連絡してくる
- 自分の身の回りのことができない可能性
- 身の回りの事ができないので部屋を汚される(通称:汚部屋)
- 共用部も自分の部屋の一部として使う
- 耳が不自由なせいで発する音が大きい
- 生活サイクルが周囲の人と違う
- マイルールが多い
- 途中でボケてしまう可能性
- 亡くなってしまった場合の事後対応
ざっと書き出してみましたが、大家さんや高齢者を入居させるとなると他の年代の人と比べてこれくらい心配ごとが増えます。
大家さんからするとそんな風に思えるということです。
自分はそんなこと無いと思っても関係ありませんし、絶対に違うということはないでしょう。
むしろ「自分だけはそんなことない」と思える人ほど上記のような人になる可能性が高いのです。
では次に先ほど挙げた理由をそれぞれ説明します。
若い人に比べて部屋で亡くなる可能性が高い
これは説明不要でしょう。
年齢的なもので若い人よりその可能性が高くなるのはどうしようもありません。
年齢が上であるほど、病気やけがのリスクは高くなります。
また
- 一人暮らし
- 人付き合いが少ない
- 仕事をしていない
などの条件が重なると部屋の中で亡くなっていたとしても気が付かれにくくなります。
そうなると、時間が経過して異臭騒ぎなどが起きて初めて気が付くこととなります。
この状態になると、部屋自体しばらく貸すことはできません。
さらにその建物自体「事故物件」として扱われることとなります。
大家さん側からすると最悪の事態です。
何らかの理由により支払いが滞る可能性が高い
先ほどと理由は似たようなものですね。
ケガや病気により支払えなくなる可能性があります。
貯蓄に余裕があれば良いですが、皆が皆そうとは限りません。
加齢によって横柄になったり、ワガママになる可能性(周囲に迷惑をかける)
いわゆる「頑固おやじ」的なやつも含まれるでしょうか。
加齢により融通が利かなくなります。
また、自分が周囲より年上になってくるので余計に周囲の意見を聞くのが嫌になってきます。ちょっと何か言われただけで大ゲンカなんてことも考えられます。
時間があるせいか年中連絡してくる
これは大家さんや管理会社側の意見になります。
- 建物内の清掃が甘い
- 掃除をしているあいつの態度が悪い!
などと何かしら適当な理由をつけて連絡してくる方がいます。
もちろん全員ではありませんし、正当なものもあるでしょう。
しかしそのような方の連絡の頻度が多く、週に何度も管理会社に連絡をしていたりします。
自分の身の回りのことができない可能性
部屋の中の電気がつかない(ただの玉切れ)やテレビが付かない(コンセントが抜けている)などの、ちょっと確認すれば気が付きそうなものでも建物の不具合などと思い込み連絡してきたりします。
管理会社からすれば何でこんなことで連絡を貰うのだろう・・・?
という感じになりますね。
管理会社にとってはちょっと困った入居者ですね。
身の回りの事ができないので部屋を汚される(通称:汚部屋)
これについてはいわゆる片付けられない人というのが一定数いますので高齢の方だけに限らないのですが、この場合は体が動かなくなってきたことによって片付けが出来なくなってくる人の事です。
ある程度の年齢になってきた時点である程度の断捨離が必要です。
世にいうミニマリストのようにあらゆる物を処分する必要はありませんが、年単位で利用しない物は処分してしまった方がいいかもしれませんね。
部屋が異常なほど汚れていると異臭なども発生しますのでトラブルの元となります。
※汚部屋(おへや):足の踏み場もないほど荷物で溢れかえり汚れてしまっている部屋。ネットスラング。
共用部も自分の部屋の一部として使う
自分の部屋だけでは荷物が置ききれず、玄関前などの共用部にどんどん荷物を置いてしまっているような人です。
この状態になっている人は先ほどの汚部屋になっている可能性が大ですね。
隣人からすると非常に邪魔なのでトラブルの元となります。
耳が不自由なせいで発する音が大きい
高齢になると耳が聞こえづらくなってくるせいで、自分の発する音に対して鈍感になっていきます。
自分の声やテレビの音、扉の開け閉めのような生活音がどんどん大きくなっていきますので、共同住宅で生活すると隣人に迷惑を掛けることになります。
しかし、本人からすると大した音を立てていない(自分では聞こえていない)ため、隣人とのトラブルになります。
生活サイクルが周囲の人と違う
高齢になると朝・夜共に早くなるものです。
そうなると他の人と生活サイクルに差が出てきます。
他の人がまだ寝ている時間に活動を始めますし、他の人がまだ起きている時間には就寝しています。
この生活時間の差によって騒音などのトラブルが発生しやすくなります。
マイルールが多い
誰にでも「自分はこうする」といったマイルールがあるものですが、そのマイルールを周囲にも求めてきたりします。
またはそれが「普通」と理解しない周囲が悪いといって揉め事になったりします。
例えばですが、先ほど先ほどの「玄関先に自分の荷物を置く」などもそうですね。
基本的に集合住宅では共用廊下には物を置いてはいけません。
緊急時の避難に支障が出るからです。
そういった物も「俺が便利だから」といって注意をしてもそのまま置き続けたりします。
邪魔にならないようにと善意で移動したりすると、それが元でトラブルになったりします。
途中でボケてしまう可能性
どんなに元気な方であっても加齢によって物忘れが始まったりするものですが、それが進んでボケてしまう可能性があります。そうなれば当然身の回りの事はできませんし、下手をすれば社会問題化しつつある「徘徊老人」になってしまうこともありえます。
身内がいれば良いですが、身寄りがないなんて言うこともよくある話です。
亡くなってしまった場合の事後対応
大家さんが一番頭を悩ませるのがこれでしょう。
身寄りがあって身辺整理などがすぐ終われば良いですが、そうとは限りません。
賃借人がなくなると、部屋の権利はその人の血縁者に引き継がれます。
しかし、その権利が放棄されてしまったりすると部屋の荷物を処分するのは大家さんです。
そして、勝手には処分できずに法的な処理を求められます。
非常に手間もかかる上に金銭的にも大きな負担を強いられます。
余裕のある大家さんであれば良いですが、あまり余裕のない大家さんの場合はこれ1回で経営が成り立たなくなる可能性すらあり得ます。
まとめ
非常に残念な話ですが、大家さん側からすれば高齢者というのはどうしてもリスクが高い店子です。
借りる側からすれば、「たかが賃貸を借りるだけで何でそこまでアレコレ言われなくてはいけないのだろう」と思うかもしれません。
しかし、大家さんは別に善意だけで賃貸経営をしているわけではありません。
ビジネスとして賃貸経営をしています。
ビジネスとしてリスクを考慮するのは当然のこと。
今は借りる側の「権利」が非常に強く保護されているため、貸す側としてはとても慎重にならざるを得ないのです。
今の日本はすでに高齢社会。
どうあがいても高齢者が減ることはありません。
ですから現状の「貸す側が一方的に不利」である状況のままとは思えません。
貸す側にとってもう少し貸しやすい条件が整えば、逆に借りる側にとっても借りやすい環境が整います。
その辺の整備が少しでも進めばお互いに良いと思えるような状態になりますね。
では今回はこの辺で。
ありがとうございました。
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